水害・浸水後の被害写真は何を撮る?片付け前に残す写真を解説
安全を確認できたら、片付け・修理・廃棄を始める前に、建物全体・浸水した高さ・部屋ごとの全景・被害箇所・家具や家電などの家財・設備・車を、できるだけ複数枚撮影して残します。写真だけで罹災証明書の被害認定や保険金の支払いが必ず認められるわけではありませんが、被害状況を説明する重要な記録になります。このページでは「具体的に何を撮ればいいのか」を場所ごとに整理します。
公開日:2026/09/22最終更新日:2026/10/06
撮影より先に、片付けを始めないでください
片付けたり廃棄したりした後では、被害時の状態を撮り直せません。政府広報オンラインは、罹災証明書の取得や損害保険の請求に役立つとして、片付け前に被害状況を写真で記録するよう案内しています。
まず安全を確認する
写真のために危険な場所へ入らないでください。安全の確保が最優先です。
- 水が引いていない場所・流れの速い場所・崩れかけた建物には近づかない
- 建物の傾きや基礎の損傷など構造の異常を感じたら、中に入らず外から撮れる範囲にとどめる
- 濡れた家電・電気設備には通電しない
浸水した家電・コンセントに電気を通さないでください
水につかった家電製品は、内部に水分や汚れが残ったまま電気を通すと発火や感電のおそれがあります。そのまま使わず、使用前にメーカーや販売店に相談してください。
建物の外観を撮る
建物の全体が分かるように、正面だけでなく複数の方向から撮ります。
政府広報オンラインは、建物の外観をできるだけ4方向から撮ることを案内しています。
- 建物全体(可能なら4方向から)
- 外壁・基礎のひび割れや剥がれ
- 玄関・入口・シャッター
- 敷地内の被害(塀・門・物置・庭)
- 流れ込んだ泥・漂流物
公的機関政府広報オンライン
住まいが被害を受けたとき 最初にすること ↗片付け前の被害写真の撮り方(外観4方向・浸水の深さ・部屋ごとの全景と寄り・設備等)、罹災証明書、作業時の服装、修理詐欺への注意など。
最終確認日:2026/10/06
浸水した高さを撮る
壁・柱・ドア・家具に残った水の跡や泥の線を、高さが分かるように撮ります。
政府広報オンラインは、浸水した場合は浸水の深さも分かるように撮ることを案内しています。浸水の深さは、罹災証明書の被害程度の認定でも用いられる重要な情報です。メジャーを当てたり、人や家具と一緒に写したりすると高さの目安が伝わりやすくなります(撮り方の実用的な工夫で、公的機関が必須としている方法ではありません)。
室内は部屋ごとに撮る
部屋ごとに「全景」と「被害箇所の寄り」を撮ります。間の距離のカットもあると状況が伝わりやすくなります。
政府広報オンラインは、被災した部屋ごとの全景と、被害箇所に寄った写真を撮るよう案内しています。「全体 → 中距離 → 寄り」と段階的に撮る方法は、被害の場所と程度を後から説明しやすくするための実用的な撮り方です(公的機関が必須としている形式ではありません)。
- 各部屋の全景(入口側から部屋全体が入るように)
- 床・壁・建具・畳などの被害箇所の寄り
- 押し入れ・収納の中など、見落としやすい場所
家具・家電・住宅設備を捨てる前に撮る
廃棄・搬出する前に、被害を受けた家財を1点ずつ撮っておきます。
- 冷蔵庫・洗濯機・テレビなどの家電
- 家具・寝具・畳
- 給湯器・エアコン室外機などの住宅設備
- キッチン・浴室・トイレなどの水まわり
濡れた家電は通電せず、撮影後も使用しないでください。家財の被害は火災保険の家財補償の対象になる場合があり、後から「何がどう被害を受けたか」を示す材料になります。
店舗・事業所の被害を撮る
店舗・事業所も考え方は同じです。全景と被害箇所に加えて、商品・設備・什器を撮ります。
- 店舗・事務所の外観と店内全景
- 商品・在庫(廃棄前に)
- 什器・陳列棚・レジまわりの機器
- 冷蔵・冷凍設備、厨房設備
- 電気設備・配電盤
事業者向けの支援や保険の手続きでも、被害時の記録が説明の材料になります。
車の被害を撮る
冠水した車のエンジンをかけないでください
浸水・冠水した車は、感電や電気系統のショートによる車両火災のおそれがあります。自分でエンジンをかけず、販売店または整備工場に相談してください。ハイブリッド車・電気自動車は高電圧バッテリーを搭載しているため、むやみに触らないでください。
冠水した車はエンジンをかけずに、車全体と水位の跡を撮ります。
- 車全体(前後左右)
- 車内(床・シート・ダッシュボード)
- 水位の跡・泥の付着
- 可能であれば、周囲の冠水状況
撮影後は、販売店・整備工場・加入している自動車保険会社に相談してください。
公的機関国土交通省
浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ ↗冠水車両はエンジンをかけず、販売店・整備工場に相談する。HV・EVは高電圧バッテリーのためむやみに触らない。
最終確認日:2026/10/06
捨てる前・修理する前に記録を残す
「撮ってから捨てる・撮ってから直す」を徹底し、修理の見積書や領収書も保管します。
政府広報オンラインは、片付けや修復作業に取り掛かる前に被害状況を写真で記録するよう案内しています。あわせて、修理の見積書・領収書・工事の記録は、保険の請求や支援制度の手続きで求められる場合があるため保管してください。片付け全体の順番は水害後の片付けは何から始める?で解説しています。
写真の保存で気をつけること
元の画像を消さず、手続きがすべて終わるまで保管します。
- 撮影した元データ(オリジナル)を消さない・加工しない
- スマホの故障や紛失に備えて、クラウドや別の端末にバックアップする
- スマホで撮影すると日時が記録されるため、撮影日が分かる状態で保管する
罹災証明書の申請で写真を使う
罹災証明書は市区町村の現地調査などで被害程度が認定されます。写真は被害状況を説明する材料になります。
「写真がないと申請できない」と決まっているわけではありませんが、自治体によっては申請時に被害状況の写真の提出を求める場合があります(自治体の一例:山武市の罹災証明書の案内では、申請に被害状況等の写真が必要とされています。必要なものはお住まいの市区町村の案内で確認してください)。申請の流れは罹災証明書とは?申請前にやることを順番に解説で詳しく説明しています。
公的機関政府広報オンライン
罹災証明書の申請について(動画) ↗罹災証明書は支援金・融資・税減免等で必要になる場合があること、片付け前の写真、オンライン申請可の自治体があることの案内。
最終確認日:2026/10/06
火災保険・水災補償で写真を使う
保険会社への連絡時に、被害写真が状況説明の材料になります。写真があれば必ず保険金が支払われるわけではありません。
補償の対象・条件は契約ごとに異なります。保険証券を確認のうえ早めに保険会社・代理店へ連絡し、案内された方法で被害状況を伝えてください。
公的機関日本損害保険協会
風水雪災等による損害を補償する損害保険 ↗すまいの保険(火災保険)は風災・水災(洪水や床上浸水など)等を補償する商品があること、補償範囲・支払条件は商品・契約によって異なること、地震・噴火・津波は地震保険の対象であることの案内。
最終確認日:2026/10/06
次に確認すること
- 片付けの順番を知りたい → 水害後の片付けは何から始める?
- 家の中まで水が入った → 床上浸水したらどうする?
- 床下まで水が入った → 床下浸水したらどうする?
- 罹災証明書の申請を進めたい → 罹災証明書とは?申請前にやることを順番に解説
- お住まいの地域の窓口を探す → 地域の最新情報
参照した一次情報
公的機関政府広報オンライン
住まいが被害を受けたとき 最初にすること ↗片付け前の被害写真の撮り方(外観4方向・浸水の深さ・部屋ごとの全景と寄り・設備等)、罹災証明書、作業時の服装、修理詐欺への注意など。
最終確認日:2026/10/06
公的機関政府広報オンライン
罹災証明書の申請について(動画) ↗罹災証明書は支援金・融資・税減免等で必要になる場合があること、片付け前の写真、オンライン申請可の自治体があることの案内。
最終確認日:2026/10/06
公的機関日本損害保険協会
風水雪災等による損害を補償する損害保険 ↗すまいの保険(火災保険)は風災・水災(洪水や床上浸水など)等を補償する商品があること、補償範囲・支払条件は商品・契約によって異なること、地震・噴火・津波は地震保険の対象であることの案内。
最終確認日:2026/10/06
公的機関国土交通省
浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ ↗冠水車両はエンジンをかけず、販売店・整備工場に相談する。HV・EVは高電圧バッテリーのためむやみに触らない。
最終確認日:2026/10/06
情報確認:2026/10/06
編集:暮らし復旧ナビ編集部
本記事は、国・自治体・公的機関等が公開する一次情報を確認して作成しています。